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Elitewheels Edge Rim 50mm 買ってみた

公開: 2025年9月9日

消えゆくリムブレーキカーボンホイール

ロードバイクの部品がとにかく高騰する昨今。高性能でない部品すら高くて本当に嫌になる。

それだけじゃない。ロードバイクのパラダイムシフトも起きている。電動化とディスクブレーキ化だ。

普段、DogmaF12のリムブレーキに乗る自分にとってディスクブレーキ化は看過できない(だから安く買えたんだけど)

どんな影響かといえば、ホイールがどんどん絶版になるのだ。

正確に言えば、カーボンホイールのリムブレーキモデルが絶版になる。

工場のラインだって限られている。ロードバイクすらディスクブレーキ化するのなら、製造ラインを絞りたいのがメーカの都合だ。そうでもしないと、主力のディスクブレーキホイールがもっと高くなる。

いま、GiantのSLR1(SLRは年代によって0、1、2があるが、自分のは1が上位モデルだったころのもの)をメインで使っているが、酷暑続きでいつ割れてもおかしくはない恐怖と隣り合わせだ。

高性能のリムブレーキのカーボンホイールはなかなか手に入らなくなっている以上、死活問題

使ってみたかった"高コスパ"ホイールEliteWheels

そんなこんなで練習用のホイールを探していたが、アルミホイールと共存となると、ブレーキシューをいちいち取り換える必要があり何かと不便。ブレーキシューの交換だけでも30分はかかる作業だし。

だからカーボンでいい練習用の安価なものはないか。。と探していたところ、見つけたのが"EliteWheels"。2024年ごろからプロにも供給をはじめ実績が出ているメーカだ。2025年には新城幸也選手も使っている。

Driveというモデル、スペック表上は40万円くらいするホイールなのだが20万。

気にならないわけがない。

安いモデルがあった! Edge 50mm

Driveも高コスパだ。でも20万。20万もあればSLRがもう一式買える。

Edge 50mm

もっと安いものはないかとネットをあさっていると見つけたのがAliExpressのEliteWheels公式ストア。そこにあったのが、代理店経由では日本に未導入のEdgeというホイールだ。

実売価格なんと7万円。初回特典を使えば6万台に。

本物か怪しかったが、AliExpressの公認でどうやら本物ということで信用して購入してみることにした

届いてみてびっくり、軽い。質感いい

到着まで30日ほどかかったが、中国だと普通とのこと。税関からステータスがなかなか変わらなかったときはひやひやした。

届いた大きな箱には、EliteWheelsの公式プロダクトのしるしが。一安心。これも偽装してるかもしれないけど。

箱を開けたら、驚くくらい軽い。両方合わせて1350g。Webページの表記通りでここも一安心。

Edge50mm フロント重量
Edge50mm リア重量

素人打音検査でも、普通のプラスチックではなさそうなので、ここも一安心。

塗装もしっかりしていて、色ムラなんて当然ありません。という誇らしげな仕上がり。見事なつや消し黒。

Edge50mm 詳細。個人的にはこのブレーキのテクスチャがお気に入り

ここまで一安心が続くなら本物かな信じることにして、いざ装着へ。。。

苦戦した取り付け

しかし、取り付けには苦戦した。なので、注意点としていくつか書いておこうと思う

チューブレスレディタイヤが硬いのは仕方ないので除くことにする、また、古いバルブをバルブを流用したので、バルブコアからエアが漏れてしまったことも一般的な注意として除く

このEdge特有の注意点は下記の2点だ

  • ROTORのカセットスプロケットが入らない。
  • 付属のブレーキシューは分厚すぎて、DuraAceのリムブレーキでは干渉する。

まず1個目。ROTORのカセットスプロケットを使おうとしていたこと自体レアだから参考になるかわからないが、入らなかった。自分の目がおかしいだけかと思い、ピナレロ横浜店の日本一速い店長に見てもらったが同じ見解。同じシマノ対応でこうなるので注意だ。

サードパーティ製同士なのでこうなることもある。 DuraAceとアルテグラの12速のカセットスプロケットは何の問題もなくはまってので、安心してほしい。

次に2個目。結構な幅広のホイールである。そのため、DuraAceのリムブレーキのキャパはぎりぎり。カーボンリム用のブレーキシューが付属してくるが、これを使うとキャパオーバーになる。おとなしくShimanoのブレーキシューを購入するべし。

最後に:今後詳しく書きたいこと

このホイールは端的に言えば気に入っています。

富士ヒルクライムにも使いましたし、普段の練習にも使っていて、1000㎞かるくは走ったかなと。

どんな感じか、次回以降の記事で紹介したいと思います


Pinallero New Fシリーズ

公開: 2025年9月9日

ついに出たMY2025モデルのFシリーズ

昨年、国際的なスポーツの祭典に間に合わせる形で登場したMY2025 DOGMA F

一年遅れでその弟分モデルであるFシリーズが刷新されましたね。

THE NEXT GENERATION F SERIES|新型Fシリーズを発表

DOGMAでエアロのかなめとされたキール形状と楕円コラムが採用されました

楕円コラムに合わせて出たもの

MY2025年モデルのDOGMAではステムがないためにDHバーが採用できない。という問題を以前指摘しましたが(Pinarello DOGMAにDHバーは付けられる?ControlTech Cougarで解決する方法)、今回の発表でステムも新発売されそうです。

NEW F5 公式さんより拝借

(公式より写真引用)

公式には発表されていませんが、これによりDOGMAにも好みのハンドルが採用できるようになったようです。

New Fを買うのなら

MY2025のDOGMA Fは出たときに試乗させていただきましたが、旧来からのDOGMAの乗り心地をそのままにBB周りの硬さとしなやかさを増した感じがしました。たわまない分、ケイデンスが上げやすい印象でした

New Fになりおそらく継承されているだろうと思うといま、Pinalleroを迷われている方にはおすすめかと思います。

個人的にはNew F5を購入し、ホイールをF7との差額30万円でCADEX 50 ULTRAを買うのがおすすめかと思います。もしかしたらホイールアップデートプログラム(WUP)も発表になるかもしれないのでそれを使うとお得に講習できるかなと思うます

ショップに行けばDHバーの相談も乗ってくれます(Pinallero横浜店推奨)


今はやりのLLMついて、思うこと

公開: 2025年9月8日

バズワード:LLM

このデータ界隈で今までバズワードといえばAIだとか、チャットボットだとか、そういった一般用語がバズワードになることは多かった。

しかし、ここまで専門用語がバズワードになっているのはなかなか珍しいだろう。

しかし、ChatGPTを活用している人のほとんどがこのワードの理解に乏しい発言をしている。

ChatGPTやCopilotはサービス名

おそらく多くの日本人はここを全くと言っていいほど理解できていない。

最近出たGPT-5とChatGPTの違いが分かる人はどれだけいるだろう。

これを同一視している人は、CopilotやApple IntelligenceがGPT-5を対応と聞いても全く理解できないだろう。

GPT-5がモデル、正確には学習モデル群でChatGPTがサービス、商品名称。

リニューアルした月見バーガーと照らし合わせる

マクドナルドのリニューアルした月見ハンバーガーを考えよう

月見バーガーを月見バーガー足らしめているのは、月見ソースと目玉焼きだとしよう。

月見バーガーがChatGPTに相当する。

そして、昨今新しくなったソースがGPT-5なのだ。新しくなったことでGPT-4oからGPT-5になったというイメージだ。

LLMはモデル。

これに尽きる。

しかし、ある企業で働いていた時、外資系のI社やA社でSE経験のある人から「モデル」、「学習モデル」という言葉を使ったら意味が分からないといわれた。

その人曰く「モデル」と言ったら「ERモデル」だけらしい。

しかし世の中はそんなものだろう。

おそらく非エンジニアからすれば「モデル」ときいたら、鮮やかに洋服を着こなすファッションモデルを思い浮かべるだろう。

モデルとは何か

このことを説明するには一つの記事では足りない。

今後時代を追いながらどのような意味があるか、説明していきたいと思う


カスタムインソールのお話

公開: 2025年9月6日

定期的にやってくる“インソール熱”

カスタムインソールって、なんだか魅力的なんですよね。
各社が定期的にプロモーションを打ってくるせいか、「高機能インソール推し」の情報が定期的に流れてくる。

そのたびに「今度こそ試してみようかな…」と気になってしまう。
どんな世界が待ってるんだろうって。

だけど(しばらく)買わなかった理由

手を出さなかった理由は、ざっくり2つ。

シューズの数が多すぎる問題
トライアスロンをやってると、最低でもバイク用とラン用の2種類のシューズが必要。
しかもランシューズは同じものばかり使うと痛みが早いから、2種類をローテーション。
つまり、最低でも3足分のインソールが必要になる。これはなかなかの出費。

過去のトラウマ
昔、オーダーメイドのインソールを作ったことがあるんですが…足を痛めました。
確かにパフォーマンスは上がった気がしたし、疲労感も軽くなったような気はした。
でもある日、突然足首が痛くなって。
治ってからまた使ってみたら、また同じ症状。


そんな経験があって、しばらく距離を置いてました。

思い切って買いそろえて検証してみた

とはいえ、やっぱり気になる。
「もしかして前回は練習のしすぎだったのかも?」「メーカーとの相性が悪かっただけかも?」
そんな思いもあって、今回サマーセールに乗じていろいろ揃えてみました。

選んだのは、ザムスト・スペンコ・Superfeetの3社。
ザムストとスペンコは、それぞれレギュラーとハイアーチの2種類を試してみました。

結果は同じ

2週間で結果が出ました。
また足首が痛くなったんです。

今回はちゃんと考察もしてみました。
あくまで個人の感想で、専門的な意見ではありません。
むしろ、当てはまらない人のほうが多いと思います。

一番違いを感じたのは、シューズのフィット感が下がったこと

カスタムインソールって、純正のものよりちょっと幅広なんですよね。
そのせいで、土踏まずの部分が足にうまく沿わなくなって、シューズの中で足が滑る。
自分の場合は、外側に流れる感じ。

それを防ごうとすると、インソールが変形するくらいシューレースをギュッと締める必要がある。
でも自分は足幅広め&甲高なので、そこまで締めると甲が圧迫されて、走るどころか歩くのもつらい。

試しに純正インソールに戻してみたら、あの“しっとりフィット”が復活。
靴下みたいに、アッパーが足に沿ってくれる感覚。これが自分の好みなんだと、今回初めて気づきました。

まとめ:自分には合わなかったけど、試してよかった

フィット感の好みって、長い時間をかけて体が見つけた“ちょうどいい塩梅”なんだと思う。

NBA選手とか契約アスリートは、シューズに合わせてカスタムインソールを使ってるだろうし、彼らにとっては絶対に良いものなんだと思う。
でも、地方の一介の選手にとっては、それはちょっと雲の上の話。既製品に頼るしかない。

今回いろいろ試してみて、「自分には合わない」ということが分かっただけでも収穫。
それだけで、試した価値はあったと思うことにします。


楽器演奏における”フィッティング”

公開: 2025年9月4日

ロードバイクのフィッテイング

本日、バイクのフィッティング。

筋肉の筋力や柔軟性によって最適なポジションは変わる。骨格は変わらなくても、バランスのとり方が変わってくる。

そのため定期的な客観的な判断は必要不可欠だ。

今回は前乗りを試してみたがそのあといろいろといじりすぎてよくわからなくなってきたのでお願いした。

フィッティング前とフィッティング後を比較すれば同じRPEで20%ほどかわっていたので、とんでもないポジションになっていたのであろう。自覚はあったが。。。

Fittingのプロ ACTIVIKE

お世話になっているのがACTIVIKEさんのにっしーさん

柔軟性などの指導もあり、単純に体にバイクを合わせるだけでなく、体をバイクに合わせることへの助言もしてくれる。

アップの効果+柔軟性の改善+バイクのフィッテングで、30%のパワー改善があったのであろう

道具を使う

体に道具をあわっせるし、体も道具に合わせる。

ここ最近の話ではあるが、競技の世界では”常識的な手段”となってきている。

しかし、道具を使うのにまだこの考えが浸透していない分野があると思う。

それが「楽器」の分野だ

音楽の”フィッテイング”

音楽と競技では求められるアウトプットが異なる。

競技の世界ではタイムがすべてである。体の扱いやすさと強い相関があるため、体がある程度動かしやすい(心地よいではないことに注意)ポジションを得られれば、結果タイムも短縮される。

一方で音楽は音色と表現が求められるが、いい音色を出すために体に負担をかけることは往々にして求められる。

ロードバイクやシューズは体格に合わせて様々なサイズが用意されているが、楽器は電子楽器でなければ、基本1つである。

どんなに体が大きかろうと小さかろうと、同じものを使う必要があるのだ。

フィッテイングという概念が希薄なのがよくわかる

構え方と姿勢

同じホルンという楽器でもアレキサンダーとヤマハなどのメーカごと、クルスペとガイヤーの巻で若干重心などポジションが変わる。

ここについての考察は後日書きたい。

しかし、まずは、どう構えるとどこが力み姿勢が崩れるか、そこは鏡を見ながら観察するべきだと思う。

例えば、トランペットの奏者には多いが、脇を閉じて両肘をつけるような構え方をする。

こうすると肩甲骨が広がり、猫背になる。

猫背になると質のいい呼吸はできない。

結果、音色は悪くなり、ばてやすく、高音も出ない。

楽器演奏で大事だと思うこと

楽器の演奏では見過ごされがちな”フォーム”。アパーチャやアンブッシュアよりもより根本的な話になる。

まずは鏡を見ながら姿勢が崩れないか、確かめてほしい


Pinarello DOGMAにDHバーは付けられる?ControlTech Cougarで解決する方法

公開: 2025年9月2日

PinalleroにDHバーは“付かない”のか

「PinarelloにDHバーは取り付けできない」と考え、選択肢から外してしまうトライアスリートは少なくない。
実際、Pinalleroのハンドルは専用品であり、一般的なDHバーの取り付けには制約がある。特にDOGMA 2025年モデル以降は楕円形コラムを採用しており、MOST ULTRA FAST以外のハンドルは使用できない。この2025年M40XになってからのDOGMAは今回の話題の対象外としよう。

2025年9月の発表で対応のステムが登場する見込みです(参考

しかしながら、それ以外のPinalleroであれば解決策は存在する。MOST TigerのステムとControlTechのCougarというハンドルバーを用いることで、PinalleroでもDHバーを取り付ける道が開ける。

Pinalleroのハンドル構造とDHバー取り付けの障壁

Pinalleroのバイクは、TiCRというケーブル内装形式を採用している。これはほかのメーカーとは異なるもので、ハンドル選びの制約となる。

コラムの側面をケーブルが通るような構造となり、ほとんどのステムが対応していない。

TiCRに対応していないステム、ステム一体ハンドルを何とか使用する場合は、ステムの下からケーブルを通し、専用のアダプタを通す必要が出てくる。いわゆる半内装だ。

Most Tiger

見た目はすっきりし、空力も大きな問題にはならなくなる。しかし、このアダプタの高さが30mmほどありハンドル落差の問題が生じる。

MOST Tiger Height

TiCR対応のステム Tiger

上記の問題を解決するために、TiCRに対応したステムを使えばいい。

まさにその通りで、Most、Pinalleroのパーツブランド、からTigerというステムが出ている。この中にケーブルを通せばいい。しかし、このステムにケーブルを通すためには、ハンドル側から入れる必要がある。つまり、ステム下方からはケーブルを通すことができない。

この場合もやはり40mmのアダプタが必要となる。

ステム側にケーブルを通す穴が開いているハンドルも必要になるのだ。

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ケーブル内装のエアロハンドル

MOSTにもハンドルは用意されている。Jaguarだ。

Jaguarにはケーブルをステムに入れるための穴がある。この構造は市販されているエアロハンドルといわれるハンドルにはほぼ共通している。

しかし、このエアロハンドルが問題になるのだ。

空力を最大限に高めるためにステム取り付け幅しか真円部分がない。ほかのアクセサリーをつけるスペースがないのだ

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これが、Pinalleroのバイクをトライアスロンで用いるための最大の弊害となる

他社の選択

この問題は実はCanyonやS-works、Giantでも生じる。では他社はどうしているか。

専用のハンドルに専用のDHバーを販売している。

小田倉誠選手もかつてPropelで九十九里トライアスロンのミドルに挑戦したときはそのようにしていた。

Pinalleroの美学

しかし、Pinalleroというメーカはそういったものを一切作っていない。

おそらく美学に反するのであろう。ロードバイクにDHバーを取り付けても最適な設計にはならない。

絶対にポジションは出ないのだ

DHバーが必要ならBolideを買ってくれ。というメッセージなんだと思う

ControlTech Cougar

微振動の吸収がよく、足が残りやすいPinalleroでトライアスロンを走るため、ハンドルを探し回った。

ケーブル内装ができ、DHバーが取り付けられる。(別にエアロでなくてもよかった)

その答えが「ControlTech Cougar」だ

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ステムの取り付け幅が広い。

これにより様々なアクセサリがハンドルに取り付けられるのだ

ProfileDesignのDHバーであれば取り付けは可能

Cougar

留意すべきこと

ただし、このControleTech Cougarでも万能ではない。

標準のDHバーのマウントの高さでは、角度をつけたとき、エアロ部分と干渉してしまう。

そのため、DHバーは少しハイマウントにすることをお勧めする。少なくとも10㎜、できれば20㎜以上だ

📝 DHバーライザーとはこういうものだ

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昨今のDHバーのセッティングは比較的アップライトなハイマウントが流行しているのでそこまで違和感はないと思う。

Pinalleroでバイクパートを走る

Pinalleroでトライアスロンにでるため、こちらが現行の最適解になると思う

エアロ性のではTTバイクにはかなわないが、1台ですべてをこなす。そんなPinalleroの方向性にもマッチしていると考えている


なぜPinarelloにしたのか、エアロロードではなく、DOGMAを選んだ理由

公開: 2025年8月30日

はじめに:DOGMAという選択

練習からレースまで、すべての場面で使える一台を探していた。
見た目の派手さやスペック競争ではなく、「乗ってどう感じるか」「走った後にどう残るか」を重視した結果、たどり着いたのがPinarello DOGMAだった。
この記事では、エアロロードではなくDOGMAを選んだ理由を、実際の使用感と目的に照らして紹介したい。

もともと使っていたもの

トライアスロンを本格的に始める前に買ったバイク。それがGiantのPropelだった。リムブレーキ時代のもので2017年に購入したもの。設計は2010年だ。

各方面のレビュー記事を読むとわかることだが当時はエアロ・剛性・重量すべてに優れていた。

確かに不便はなかった。

女子選手ではあるが同じバイクで、国体と日本選手権出場を選手も知り合いにいる(さすがに国体出場時に新型に乗り換えてはいた)。

私が出場した宮古島トライアスロンでは、送り風にのったり向かい風を割いて、ほかの選手とは明らかに違う加速をすることもできた。

ただ、自分には硬すぎた。パーツもハンドルステム、ホイールとカーボンに置き換えた。

それでも手に来る微振動、臀部に伝わる微振動。当時主戦場にしていたショートの出力では、ランにたどり着くまでには疲れていた

同年代の人ならわかるかもしれない。ニンテンドー64やPlayStationであったコントローラのバイブレーションが伝わってくるのだ。

山あり谷あり、あぜ道あり

トライアスロンや日々の練習では、ただの平坦巡航だけでは済まない。
上りでの軽さ、下りでの安定性、平坦での巡航効率、そして信号やUターンでのストップ&ゴー──すべての場面でバイクの特性が問われる。

一般的なエアロロードバイクでは、出足が少し鈍い。その瞬間LSDではあまり使いたくない足を使う。上りだっておっくうになる。軽量エアロロードは出てきたものの3社のエアロロードを試乗してそう感じた。

いくら日本とは言え、道があれているところは多い。硬すぎるとそれだけで嫌になる。

古いPropelのから数十万円かける買い替えの言い訳にはならなかった。

Pinalleroのバイク

一方でPinalleroというメーカのバイクづくりは、軽量でありながら剛性が高く、どのシチュエーションでも“走りの質”を損なわない。

さすが、軽量バイクとエアロロードバイクの作り分けをしないメーカなだけはある。
上りでは、ペダルに力を込めた瞬間にスッと前に出る軽快さがあり、下りではラインがぶれず、安心して攻められる安定感がある。
平坦では、低トルクでもしっかりと推進力に変わる“ダイレクト感”があり、脚を無駄に使わずに巡航できる。
そしてストップ&ゴーでは、再加速時のレスポンスが鋭く、剛性の高さが効いてくる。

見るカフェイン

ロードバイクは決戦装備であると同時に、所有物でもある。見た目が好みかどうか、所有欲を満たせるかどうか、これはモチベーションに影響しよう

どんなに目標に向かっていようと、毎日がやる気で満ち溢れているわけではない。気乗りしない日だってある。そんな日だってやる気を与えてくれる存在であってほしい。

UCIの既定の中で空力を追い求めていくとどうしても似てきてしまう、現在のロードバイク。その中でも有機的な曲線はDOGMAの唯一無二とも言えよう

最大の理由:乗り心地と振動吸収性

しかし、それだけではない

軽量さに優れたバイクならほかにたくさんある。GiantのTCRやCanyonのUltimate、TrekのEmondaやMadone Gen7は非常に軽く、空力にも優れている。

これらの最新のバイクは高剛性で地面をけるダイレクト感も強い。

DOGMAの真価は、乗り心地にある。
トライアスロンでは、バイクの後にランが控えている。バイクパートで足を使い切ってしまうと、ランに影響が出る。
DOGMAは微振動の吸収性が高く、長時間乗っても足が疲弊しにくい。
この“足を残す”という観点が、DOGMAを選ぶ最大の理由だった。

おわりに:スペックでは語れない“乗る理由”

DOGMAは、スペック表だけでは語りきれないバイクだ。

重量は決して最軽量ではない。

空力もCanyonのエアロードやTrekのMadoneのほうが優れていよう。

そして唯一無二のイタリアンデザインの造形美。


しかし、数字ではなく、乗ったときの感覚、走り終えたときの身体の状態、そして次の日にまた乗りたくなるかどうか。
そうした“乗る理由”が詰まっているからこそ、DOGMAを選んだ。
これからも、この一台とともに、走り続けていきたい。


Copilot導入の背景と活用方法

公開: 2025年8月29日

背景:自動コード生成への挑戦

Copilot導入の背景とコーディングへの活用

個人ブログを立ち上げるにあたり、WordPressなどのCMSも検討しましたが、
カスタマイズ性やオリジナリティの面から、フロントエンドはスクラッチで開発する方が効率的と判断しました。

ただし、本業の合間に一人で開発を進めるには時間的制約が大きく、そこで注目したのが「自動コード生成」です。
数年前はWeb検索+手動修正の方が精度が高いと感じていましたが、最近のAIの進化により、十分実用的なコードが生成されるようになってきました。
その可能性を検証すべく、"人柱"としてCopilotの導入に踏み切りました。

選定理由:なぜCopilotなのか

AIによるコード生成が一般化しつつある今、選択肢は多岐にわたります。ChatGPT、Gemini、Claude、AppleAIなど、いずれも高性能なモデルを備えていますが、商用利用を前提としたとき、Copilotは一歩抜きん出た存在です。

以下の理由から、Copilotを選定しました:

  • 再学習されない安心感
    ChatGPTやGeminiの無料版では、ユーザーの入力や出力がモデルの再学習に利用される可能性があります。
    これは、機密情報が意図せず他者にレコメンドされるリスクを含み、商用利用では致命的です。
    Copilotはこの点で明確に「再学習を行わない」とされており、情報漏洩リスクを最小限に抑えられます
  • 人間による確認プロセスが設計に組み込まれている
    Microsoft Copilotは、AIが生成した出力をそのまま実行するのではなく、人間が確認・承認する前提で設計されています。
    特にCopilot Studioでは、AIが「この判断は人間に委ねるべき」と判断した場合、明示的にレビュー依頼を出す機能があります。
    これは、誤処理や情報漏洩を防ぐだけでなく、業務責任の所在を明確にするためにも重要です。
  • 業務利用に特化した設計思想
    AppleAIはMac端末に限定されており、企業導入の汎用性に欠けます。
    一方、CopilotはWindows環境を含む広範な業務シーンに対応しており、Github Copilotとの連携も可能
    コーディング支援においても、実用性と拡張性の両面で優れています。

Copilotの実際の精度

Copilotを用いてWebフロントのひな型を作成した際、以下の3つの要素を入力情報として与えました:

  • UIのイメージ構成
  • 使用するフレームワーク
  • ヘッドレスCMSのテーブル設計

これらは、いずれも基本設計書レベルの詳細さで記述されたものであり、Copilotにとっては十分な文脈情報となりました。

結果として、Copilotは以下のような成果を出しました:

  • 生成されたコードはほぼエラーなし
  • ひな型の完成までに要した時間は約10時間
  • 定型的な構造や繰り返し処理は自動化され、手作業の負担が大幅に軽減

さらに、開発初期フェーズではCopilotのモバイルアプリを活用することで、移動中でも作業を継続できました。
実際、ライブイベントに向かう電車内でUI構成の初期設計を進めることができ、時間と場所に縛られない開発スタイルを実現しています。

このように、Copilotは単なるコード生成ツールではなく、開発のスピードと柔軟性を両立させる実用的な支援ツールとして機能します。
特に初期設計や定型処理のフェーズでは、初級レベルなら2人分、中級レベルなら1人分程度の生産性を補完する存在として、十分な価値を発揮します。

まとめ

Copilotの導入は、開発効率の向上だけでなく、業務品質の安定化や柔軟な働き方の実現にも寄与します。
実際の活用を通じて得られた主な成果は、以下の3点に集約されます:

  • 開発スピードの向上
    設計書レベルの情報をもとに、Copilotはほぼエラーのないコードを生成。
    ひな型の完成までに要した時間は約10時間で、中級コーダー1〜2人分の生産性に相当する効率を実現しました。
  • 商用利用に適した安全設計
    再学習を行わない設計により、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えられる点は、業務導入において極めて重要です。
    また、Copilot Studioでは人間による確認プロセスが組み込まれており、AIと人間の役割分担が明確です。
  • 柔軟な開発スタイルの実現
    モバイルアプリからの操作も可能で、移動中でも作業を継続できるなど、時間と場所に縛られない開発環境を提供します。

Copilotは、コード生成ツールという枠を超え、開発者の思考と作業を滑らかにつなぐ実務支援エージェントとして機能します。
定型処理の自動化、設計フェーズの加速、安全性の確保──これらを同時に叶える選択肢として、Copilotは非常に有効です。

お問い合わせ

Copilot導入に関してご質問がある方は、以下までご連絡ください:

keisuke.maeda.2019 at gmail.com(※「at」を「@」に変えてください)

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